ISSN: 2161-0932
千田英之*、川村英樹、佐藤隆則、斉藤辰則、佐藤正幸
妊娠中の急性膵炎は極めて稀な疾患で、発生率は1000~10000件の妊娠につき1件と推定されています。この疾患は妊娠後期または産後早期に発症することが多く、上腹部痛、吐き気または嘔吐、食欲不振、発熱、血清アミラーゼまたはリパーゼ活性の上昇などの症状がみられます。私たちは、切迫早産の治療中に急性膵炎が発見され、緊急診断と迅速な集中治療により経過が良好であった症例を経験しました。この疾患は重篤な経過をたどる可能性もありますが、早期診断と迅速な治療が良好な予後に寄与します。