ISSN: 2379-1764
エロディ・ランス、ジン・フー、ジェローム・E・タナー、キャロライン・アルフィエリ
RNA ウイルスのゲノム内に本来存在する二次構造と三次構造を解明する能力は、これらのウイルスの複製プロセスを解明する上で重要な第一歩です。C 型肝炎ウイルス (HCV) ゲノムは、複製が主に 3' 非翻訳領域 (3'UTR) によって制御される一本鎖 (+) RNA で構成されています。3'UTR は、遺伝子型特異的可変領域 (VR)、ポリ (U/UC) リピート、および X テールと呼ばれる 98 塩基の保存された配列で構成されています。in vitro 生化学分析による 3'UTR の構造モデルは提案されていますが、細胞内環境内に存在する全長ウイルスゲノムの一部としての本来の構造は不明です。全長ゲノムの3'UTRに含まれる天然の二本鎖 (ds) および一本鎖 (ss) RNA 構造をマッピングする手段として、部位特異的 RT-qPCR と組み合わせて in situ 化学タグ付けを実施しました。結果は、ssRNA が VR-ポリ (U/UC) 繰り返し配列で優勢であるのに対し、dsRNA 要素は X-tail に限定されていることを示しています。in situ 化学タグ付けにより、3'UTR の外側にある配列の一部に含まれる VR-ポリ (U/UC) 繰り返し領域にある固有の dsRNA 要素も特定されました。ここで説明する結果は、HCV ゲノムの 3'UTR 配列内に存在する二次構造の in situ プロービングおよび検出に関する最初の報告となります。dsRNA と ssRNA を区別するための細胞内 RNA 修飾剤の使用と、標的 RNA の微量を増幅するための PCR との組み合わせは、複雑な細胞内 RNA 内の天然の二次構造のマッピングに応用できる可能性があります。