ISSN: 2329-9096
増谷憲光、岩見武宏、松永敏樹、斉藤公夫、土江宏之、高橋康宏、島田洋一
目的:従来の装置を改良した座位バランス評価法を開発した。しかし、この装置で測定した体幹バランスの信頼性は不明であった。本研究の目的は、検査者内および検査者間での信頼性を検証することであった。
方法:歩行可能な健康な成人男性(20~45歳)を対象とした横断的研究である。座面は一定周期(0.2 Hz、0.4 Hz、0.6 Hz)で振動し、座面の下に設置した3つの小型力センサーで振動中の座面の圧力を検出し、圧力中心(COP)を算出することができた。測定は2名の検査者によって行われ、各参加者は座位で3回測定された。被験者の前方2mの目の高さのマークを視線固定し、頭部の位置を一定に保つよう指示した状態で、プラットフォームを10秒間に2周期(0.2Hz)で前面傾斜角±7°で左右に傾斜させ、30秒間計測を行った。座面上の重心の時間的変動を計測し、COPの総軌跡長を評価項目とした。計測機器の信頼性を検討するため、検者内信頼性の級内相関係数としてICC(1.3)、検者間信頼性のICC(2.1)が得られた。
結果:検者内信頼性のICCは0.815、検者間信頼性のICCは0.789であった。バランス評価中に有害事象は発生しなかった。
結論:この装置は比較的高い信頼性で動的体幹バランスを評価するために使用できる可能性がある。したがって、本装置は、動的体幹バランスを簡便かつ安全に定量的に評価するのに有用であると考えられる。