化学療法: オープンアクセス
オープンアクセス

概要

一次全身化学療法後の乳癌患者に対する S-1 による補助化学療法

大崎明彦

一次全身化学療法（PSC）後の根治的乳房手術後の追加療法は、正しく評価されていない。進行乳がんにおけるPSC後の追加化学療法に関する未解決の問題が2つ、本稿の主題である。1つ目は、標準PSCの完了後に残存病変を有する患者に対する手術後の追加化学療法の予後への影響であり、2つ目は、この設定でのメトロノミック化学療法として知られるS-1などの経口抗がん剤の使用である。さまざまなサブタイプのPSC後の残存病変を有する乳がん患者を対象とした試験が多数進行中であるが、臨床試験で生存利益は検証されていない。S-1やカペシタビンなどの経口効果のある抗がん剤は、PSC後の追加の術後化学療法のさらなる候補となり得る。この設定でのこれらのメトロノミック化学療法の有用性を評価するには、さらなる研究が必要である。