ISSN: 2155-9880
渡邉哲也、篠田幸典、池岡邦泰、南坂智子、福岡秀忠、乾博興、上野圭介、井上創基、峰健太郎、星田史郎
我々の目的は、アブレーション後の心エコーデータと心房細動(AF)再発との関係を解明し、この関係における発作性 AF と持続性 AF の相違を調査することであった。1 回の高周波カテーテルアブレーション処置を受けた 105 人の患者(男性 72 人、発作性/持続性 56/49、平均年齢 67 歳)を登録した。経胸壁心エコーパラメータは、アブレーション前とアブレーション後 3 日/6 か月に測定された。12 か月で再発が 30 人の患者(29%)に観察された(発作性 18%、持続性 41%)。アブレーション後間もなく、再発のない患者では持続性 AF のみで一回拍出量指数(SVI)が有意に増加した。三尖弁逆流圧勾配の上昇を示す持続性 AF 患者 (ΔTRPG>0) は、アブレーション後に SVI が上昇し、ΔTRPG<0 の患者よりも 12 か月後の再発率が低かった。アブレーション後 6 か月で、変化した TRPG レベルはアブレーション前のレベルに戻ったが、SVI は回復しなかった。結論として、持続性 AF 患者ではアブレーション後 3 日目に TRPG が一時的に上昇し、SVI が持続的に上昇したが、発作性 AF では上昇しなかったことは、左房だけでなく心臓全体の心臓機能が維持されていることを意味し、持続性 AF 患者のその後の再発率と関連している可能性がある。