ISSN: 2155-9570
木倉美紀子、大石昭夫、萬代美智子、栗本康夫
目的:加齢黄斑変性 (AMD) の治療のため片眼にペガプタニブを硝子体内に注射してから 1 週間後に発症した、両側非動脈炎性前部虚血性視神経症 (NA-AION) のまれな症例を報告する。
方法:右眼に AMD があり両眼に白内障がある患者が、右眼にペガプタニブの硝子体内注射と組み合わせた超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術 (PEA+IOL) を受けた。右眼の処置が完了した 3 日後に、左眼にも PEA+IOL を受けた。
結果:ペガプタニブ注射の 1 週間後に、両側 NA-AION を発症した。視力は OD 0.02、OS 0.1 に低下した。結論:抗血管内皮増殖因子 (VEGF) 療法は一般的に安全であり、因果関係は明らかではないが、対側の眼に影響を及ぼす重篤な副作用にも留意する必要がある。