音声学と聴覚学ジャーナル
オープンアクセス

概要

ビールの苦味成分がミクログリア細胞の炎症を抑制し、認知機能の低下を防ぐ

阿野泰久、高島明彦、中山裕之

疫学的研究によると、適度なアルコール飲料の摂取は認知症のリスクを減らすことができると示唆されています。最近の研究では、ビールの苦味成分であるイソα酸の摂取がミクログリアの機能を調整することでアルツハイマー病の病態を予防することが実証されています。アルツハイマー病のトランスジェニックマウスモデルでは、イソα酸の摂取によりAβと炎症性サイトカインが大幅に減少しました。さらに、イソα酸はミクログリアによるAβの貪食を促進し、ミクログリアを抗炎症性のM2型に誘導しました。これらの知見は、日常生活におけるイソα酸の摂取が認知症の予防に有益である可能性を示唆しています。