ISSN: 2155-9899
静間 徹
自己免疫疾患は併存することが多いが、全身性エリテマトーデス(SLE)と原発性胆汁性肝硬変(PBC)が併存する症例はまれである。本稿では、英語と日本語の文献におけるSLEとPBCの併存症例20例をレビューし、要約した。SLEとPBCの併存症例のうち、68.4%(13/19)の症例でPBCが最初に診断され、31.6%(6/19)の症例でSLEが最初に発生したが、1症例は同時発症が疑われた。SLEの活動性とPBCの発症には相関関係がない可能性がある。報告されたSLEとPBCの併存症例20例のうち、高齢患者2名がPBCの悪化による肝不全で死亡し、肝細胞癌が検出された高齢患者は1名のみであった。