ISSN: 2329-9096
徳永誠、東敏夫、井上理恵子、大久保智明、渡辺晋
【目的】機能的自立度評価尺度(FIM)の改善度の病院間比較にはいくつかの方法があるが、どの方法が最も適しているかはわかっていない。本研究の目的は、入院時mFIM得点の違いによる影響を最も少なくし、各病院の平均運動FIM改善度を比較できる4つの方法のうちどれが最も優れているかを明らかにすることである。そのために、入院時運動FIM得点で3群に分けた3病院を考えた。【方法】対象は回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳卒中患者575名である。入院時mFIM得点(13~38点、39~64点、65~90点)で3群に分け、mFIM有効性、補正mFIM有効性、mFIM利得の偏差値、重回帰分析から導出された値に有意差があるかどうかを検討した。結果:入院時mFIMによる3群間のmFIM改善度は、mFIM利得偏差値のみでは有意差は認められなかった。結論:入院時mFIM得点差の影響を受けにくいmFIM利得偏差値は、病院間でmFIMの平均改善度を比較する手法として有用である。