ISSN: 2167-7700
竹内信博、野村祐輔、前田哲夫、多田英利、名波一義、田村隆男
72歳の女性が大腸内視鏡検査で直腸S状結腸にBorrmann I型およびII型の腫瘍があると診断された。全身CTでは両肺に1cmの腫瘤が2つ見つかったが、肝臓には腫瘤は見られなかった。患者は大腸癌の治療のため低位前方切除術を受けた。術後1ヵ月で血清中の癌原性胎児抗原値が手術時の2倍(283 ng/mL)に上昇したため、造影CTでセグメント2および5に肝転移病変が見つかった。肺および肝転移のある進行大腸癌に対し、患者が消化管の副作用に耐えられなくなるまで、イリノテカン、l-LVの点滴と1日目の5-FUボーラス注射に続いて1~7日目にUFTとLVを経口投与する5サイクルの化学療法が継続された。このレジメンは、薬剤の点滴投与を減らす目的で選択されました。その後、外来診療で UFT/LV の経口レジメンが開始されました。12 か月後、CT 検査で肺および肝臓の病変が消失し、血清 CEA 値が正常に戻ったため、患者は完全奏効 (CR) を示したと判断されました。その後、患者の希望により化学療法は中止され、1 年以上 CR が維持されています。