ISSN: 2165-7548
松本裕典、馬越健介、竹葉純、安念傑、森山直樹、相引真幸
高齢女性が気管支鏡下生検中に突然右側脳空気塞栓症(CAE)を起こし、けいれんと意識消失をきたしたため、当院に搬送された。CAE の 2 時間後、両半球とも磁気共鳴画像(MRI)では急性虚血性変化は見られなかった。MRI では活動性所見は見られなかったが、MRI 直後から開始した近赤外線分光法(NIRS)では、健側と比較して右側の局所酸素飽和度(rSO2)が低いことが示された。これらの変化は約 2 日間持続し、CAE 側の脳血流変化を示唆した。3 日後、意識は回復したが、左上肢の麻痺が残った。そのため、CAE 後は NIRS の持続モニタリングを使用して rSO2 の変化に注意する必要があると考えられる。