ISSN: 2155-6148
マデ・ウィリヤナ、アイ・ケトゥット・シナルドジャ、アイ・ゲデブディアルタ、IMGウィドニャナ、ワヤン・アリャビアンタラ、AAアユ・ウーラン・パラマサリ
背景:重篤な疾患および血行動態が不安定な患者は通常、嫌気性代謝を引き起こす灌流障害を有し、乳酸産生の増加を引き起こす。高乳酸血症は代謝性アシドーシスを誘発し、その後過換気によってこれを補う。過換気の結果として低下した PaCO2 は、呼気終末二酸化炭素 (ETCO2) として測定することができる。ETCO2 の高値は高乳酸血症に関連すると仮定されているため、ETCO2 のモニタリングは血行動態が不安定な患者における非侵襲的モニタリングとなり得る。
目的:本研究は、血行動態障害患者における ETCO2 レベルと高乳酸血症との相関関係を調査することを目的とした。
方法:本研究は、2017 年 1 月から 2 月にかけてインドネシアのバリ島にあるサングラ総合病院で実施された観察的横断研究である。被験者は、連続サンプリングによって募集された、一次性肺疾患のない 13 歳から 90 歳までの血行動態が不安定な患者であった。対象患者全員にカプノグラフによる ETCO2 測定、乳酸値測定、血液凝固分析を行った。これらの患者における ETCO2 値と乳酸値の関連を調べるために関連検定を行った。
結果:解析対象は 70 名で、年齢中央値は 55 歳であった。対象者の症例は、35.7% が蘇生を要し、32.9% が手術を伴う敗血症性ショック、17.1% が手術を伴わない敗血症性ショック、14.3% が手術を伴う循環血液量減少性ショックであった。患者の大半は代償性代謝性アシドーシスであった (82.9%)。ETCO2 と乳酸値の相関分析では、有意に強い負の相関が示された (相関係数 [r]=-0.852、p=0.001)。相関関係の線形回帰分析では、乳酸1 mmol/Lの増加は、ETCO2の3.42 mmol/Lの減少と関連していることが示された(p<0.001)。
結論: ETCO2は、血行動態異常のある患者における血清乳酸値と関連していた。