人類学
オープンアクセス

概要

日本の病院における医療機器を用いた臨床研究の現状

浜田翔太、山内幸恵、三宅治、中山素子、山本晴子、川上幸治

背景：医療機器は日常の臨床診療の中で継続的に改良されている。必要に応じて、治験中の医療機器の新しいまたは追加の臨床データが、臨床研究および/または登録された臨床試験を通じて収集される。私たちは、特に病院のインフラと人的資源に焦点を当てて、医療機器を用いた臨床研究の現在の環境を明らかにするためにアンケート調査を実施した。
方法：本研究のアンケートは、臨床研究の経験、院内マニュアル、臨床研究の課題、関連法規制、および医療工学技術産業戦略コンソーシアムによって発行されたガイダンスの有効性の6つの主要なトピックで構成されていた。アンケートは、調査時点で日本の10の中核臨床研究センターと30の主要な臨床試験機関のすべてに郵送された。
結果：18の病院（45％）から回答があった。各病院で実施されている医療機器を用いた臨床研究活動は比較的少なく、回答者の3分の2は臨床研究活動の少ないことが問題であると考えていた。医療機器の専門家の不足も重要な課題として挙げられた。ほとんどの病院は、医療機器を用いた臨床研究のための院内マニュアルを制定していた。しかし、医療機器の評価に必要な具体的な機能がマニュアルに記載されていない可能性があった。多くの病院では、
医療機器を用いた臨床研究をサポートするための臨床研究コーディネーター（CRC）が少なすぎたが、病院の半数はCRCの数を増やす余裕がなかった。
結論：私たちの研究により、病院における医療機器の臨床研究の現在の環境は部分的に整っていることが明らかになったが、専門家の不足、規制システムの複雑さ、および財政的支援の必要性が残された課題であることが示唆された。