ISSN: 2157-7013
デビッド・ショルテン、ムハマド・アルサンマン、ヘイサー・シャヒン、クリスチャン・トラウトヴァイン、ヘルマン・E・ワスマス
背景と目的:肝臓障害は免疫細胞の浸潤とそれに続く肝星細胞の活性化につながります。ケモカインは炎症経路に関与する遍在する走化性タンパク質です。ケモカインは他のケモカインの発現を誘導し、それによって間接的に免疫細胞の動員を調節できることが最近示唆されました。そこで私たちは、ケモカイン CXCL9 が重要な好中球走化性因子である CXCL1 を誘導する能力を調査しました。
方法: CXCR3 リガンド CXCL9 および CXCL10 が CXCL1 発現を誘導する能力を、野生型および CXCR3-/- マウスから分離した不死化 (GRX) および初代肝星細胞で分析しました。細胞は、百日咳毒素の有無で、さまざまな濃度のケモカインで処理しました。さらに、マウスを CXCL9 で全身的に処理し、肝臓 CXCL1 レベルと好中球浸潤を評価しました。
結果: GRX 細胞を CXCL9 で処理すると、用量依存的に CXCL1 タンパク質発現が誘導されます。この刺激効果は、初代肝星細胞で検証されました (P<0.01)。対照的に、CCL2 で星細胞を刺激しても CXCL1 誘導は起こりませんでした。CXCL9 に反応して増加した CXCL1 発現は、百日咳毒素との共培養によって完全に消失し、CXCL9 および CXCL10 の標準受容体である CXCR3-/- マウス由来の星細胞でも消失しました。特に、マウスを CXCL9 で全身処理すると、肝臓 CXCL1 レベルが上昇し、肝臓への好中球浸潤が促進されました。
結論:この研究では、急性肝障害時に肝臓への好中球の浸潤増加につながる肝星細胞におけるケモカイン-ケモカイン経路について説明しています。