ISSN: 1948-5964
Boivin G、Hamelin ME、Bouhy X、Trauger R、Moss R 氏
RSウイルス(RSV)感染症は、乳児や小児によく見られる呼吸器感染症で、新しい治療法が求められています。ウイルスの付着は、細胞表面のグリコサミノグリカン(GAG)などの負に帯電した炭水化物とGタンパク質の相互作用によって媒介されるようです。DAS181は、ヒトアンフィレグリン(hAR)由来のポリカチオン配列に結合したシアリダーゼからなる二機能性融合タンパク質で、これにより分子はシアリダーゼ酵素活性をGAGに向けることができます。DAS181の細胞表面GAGへの結合能力に基づき、DAS181がその独自のhAR配列によってHep-2細胞のRSV感染を阻止できるかどうかを調査しました。ここでは、Hep-2 細胞を DAS181 に事前曝露すると、推定 IC50 値が 13.40 μM (p=0.009) となり、Hep-2 細胞の RSV 感染が阻害される可能性があることを報告します。比較すると、同じ条件下でリバビリンの IC50 は 44.55 μM (p=0.004) でした。これらのデータは、hAR 配列の発現が Hep-2 細胞の RSV 感染を阻害するのに十分であり、RSV 感染を標的とする新しいアプローチを提供できる可能性があることを示唆しています。