ISSN: 2155-9570
リ・リ・タンとフィリップ・B・モーガン
目的:従来のドライアイ検査の診断能力と眼表面温度 (OST) との相関関係を調査し、ドライアイに対する最適な複合客観的検査を導き出すこと。
方法:これは、62 名のドライアイ患者と 82 名の対照被験者を対象に、症状評価、フルオレセインブレークアップ時間 (FBUT)、角膜上皮染色 (CES)、非侵襲的ブレークアップ時間 (NIBUT)、涙液メニスカス高 (TMH) など、従来のドライアイ検査を実施した 1 回の訪問研究でした。OST は NEC TH9260 サーモトレーサーを使用して記録され、開眼後 10 秒の温度 (T4-10) を含む、鼻結膜末端の 6 つの温度指標が調査されました。診断能力は、感度、特異度、受信者動作特性曲線下面積 (AUC) を計算することによって評価されました。
結果: Mscore、Scount、FBUT、CES といずれの温度測定基準とも相関は見られませんでした (ピアソン係数、-0.203 ~ 0.209、p>0.05)。ただし、CES は TMH と有意に相関し (r=0.276、p=0.030)、FBUT とは逆相関しました (r=- 0.258、p=0.043)。Mscore の値が 8 の場合、感度は 87.1% (95% CI: 76.2 ~ 94.3%)、特異度は 92.7% (84.8 ~ 97.3%) でした。Scount の値が 1 の場合、感度は 93.6% (84.3 ~ 98.2%)、特異度は 65.9% (54.6 ~ 76.0%) でした。 FBUT の 2 秒値では、感度 58.1% (44.9 ~ 70.5%)、特異度 87.8% (78.7 ~ 94.0%) が得られました。CES のグレード 2 値では、感度 71% (58.1 ~ 81.8%)、特異度 59.8% (48.3 ~ 70.4%) が得られました。CES と T4-10 (シリーズ) を組み合わせると、AUC が 78% に増加し、感度と特異度はそれぞれ 92.3% と 42.7% になりました。
結論:この研究により、Mscore、Scount、FBUT、CES のドライアイ診断能力が検証され、さらにその兆候と症状の不一致が確認されました。CES と T4-10 (シリーズ) を組み合わせることで、将来的にはドライアイの客観的な検査が可能になります。