ISSN: 2167-7948
グドルン・ライディッヒ=ブルックナー、カリン・フランク=ラウエ、アンジェラ・ローレンツ、トーマス・J・ムショルト、アルノ・シャッド、フリードヘルム・ラウエ
急速に甲状腺が肥大した患者の臨床転帰。デザイン: 症例シリーズ、内分泌科の二次診療所で肥大した甲状腺を呈して受診した 3 人の患者。方法/転帰評価: 診断所見、臨床経過、文献との比較。結果: 患者は全員閉経後女性 (年齢: 58-74 歳)。主な症状は、頸部領域で増大する体積または腫瘤を伴う甲状腺腫であった。超音波検査では、全患者に自己免疫性甲状腺炎を示唆する低エコーの不規則領域が認められた。1 人の患者では、甲状腺被膜が区別できず浸潤性疾患が示唆され、もう 1 人の患者では頸部リンパ結節が著しく肥大していた。甲状腺機能は、2 人の患者で甲状腺機能低下、1 人の患者で甲状腺機能正常であった。後者の患者は抗甲状腺抗体価が上昇し、穿刺吸引細胞診でリンパ腫が示され、切除生検で診断が確定した。この患者は化学療法で治療が成功し、4 年後に無病状態が続いている。他の 2 人の患者では、細胞診とリンパ節切除を繰り返しても確定診断がつかず、両者とも甲状腺摘出術を受けた。最終的な組織学的検査では、1 人の患者で甲状腺内に局在する大型 B 細胞リンパ腫が明らかになったが、もう 1 人の患者は術後 2 年で無病であり、重度のリンパ節炎を伴う慢性自己免疫甲状腺炎と診断されている。結論: 甲状腺容積が増加し、自己免疫甲状腺炎の兆候がある患者では、甲状腺リンパ腫を考慮する必要がある。自己免疫甲状腺炎とリンパ腫の有限鑑別診断は、細胞診では必ずしも達成できるとは限らない。十分な材料が必要であり、患者によっては病気を確定的に分類するために甲状腺摘出術が必要になる場合がある。