観光とホスピタリティのジャーナル
オープンアクセス

概要

サウジアラビア、アスィール地方における国内観光開発

アフマド・プアド・マット・ソム氏とアメル・ハニ・アルカセム氏

国内観光は観光の「氷山」の中で最大かつ最も未解決な割合を占めているはずであるが、学者や政策立案者による国際観光への関心によって影が薄くなっている。国際観光がグローバルなシステムや巨大インフラに大きく依存しているのに対し、国内観光は多額の投資や商業化なしに進化し、自立していると考えられる。また、災害や危機などの外的要因の影響下では、国際観光の適切な代替物として提案されてきた。観光学では、中東地域、特にサウジアラビアの国内観光というテーマに取り組んでいる研究者は多くない。サウジアラビアは国外への観光客の最大の輸出国の一つであり、政府は国内観光客の観光支出のより大きな部分を国内観光産業に留めようとしているため、国内観光に焦点を当てることはサウジアラビアにとって重要である。この観点から、本稿では、サウジアラビア南西部に位置するアスィール地域での国内観光開発の可能性と課題について議論する。この分析は二次データに基づいており、同地域の観光事業者およびホテル経営者12社へのインタビューによって裏付けられている。調査結果から、アスィール地域はユニークな観光地であり、実現されていない潜在性もかなりあることが明らかになったが、国内観光の成長には商品、市場、地理的領域の多様化が必要である。観光開発は多くの部門や利害関係者が関与する総合的な取り組みであるため、政府が階層構造が多岐にわたる包括的で協調的な開発戦略を策定することが極めて重要であり、これらは国内観光を促進するために同国の観光業界が対応すべき課題である。