ISSN: 2161-0487
末木 肇
学生人口のメンタルヘルス問題は増加傾向にあり、カウンセラーの数も増加しているようです。このような学生カウンセリングサービスの増加は日本でも見られ、重要な研究テーマです。しかし、日本の状況においてこれらのサービスの経済的価値を調べた研究はありません。この研究は、日本の大学生の間での学生カウンセリングサービスの経済的価値の認識を評価することを目的としました。462人の大学生を対象に、仮想評価法を用いた研究が実施されました。性別、年齢、学年、年間世帯収入、学生カウンセリングサービスの利用経験に関するデータがまとめられました。主な結果は、学生カウンセリングサービスを利用するための支払い意思額(WTP)に基づいています。研究参加者は、年間平均2,796円(27.96米ドル)のWTPを示しました。生涯にわたる学生カウンセリングサービスの利用経験はWTPにプラスの影響を与えましたが、性別、年齢、年間世帯収入、現在の学生カウンセリングサービスの利用などの要因は影響を与えませんでした。カウンセリングを受けた経験は、学生のカウンセリングの経済的価値に対する認識に影響を与えます。この研究は、大学生の学生カウンセリングサービスの金銭的価値に対する認識を明らかにし、これらの調査結果は政策立案者にとって有用な情報を提供します。