応用薬学ジャーナル
オープンアクセス

概要

アルコール飲料の薬物吸収への影響：マウスにおけるイブプロフェンの血中濃度プロファイル

小森康治、福田正隆、松浦知宏、山田翔太、三田村しのぶ、小西礼子、菊田真帆、高田正博、首藤誠、羽根由美子

薬物と同時にアルコールを摂取すると、有効成分の吸収が増加し、用量ダンピングにつながる可能性があります。この研究では、イブプロフェンを日本酒またはビールと一緒にマウスに投与しました。イブプロフェンの血中濃度は、水と一緒に摂取した場合よりもアルコールと一緒に摂取した場合の方が低かったです。イブプロフェン製剤を日本酒、ビール、15%エタノール、または20%マンニトールに懸濁し、雄のddYマウスに投与しました。別の実験では、マウスにイブプロフェンを水と一緒に投与する30分前に、経口で日本酒（po）またはロペラミド（po）を前処理しました。経口投与および尾静脈注射でのイブプロフェンの用量は、それぞれ40 mg/kgと0.75 mg/kgでした。最大血中濃度（Cmax）は、日本酒またはビールで前処理したマウスの方が低かったです。尾静脈注射で日本酒を前処理した動物とコントロールの間でイブプロフェンのクリアランスに有意差はありませんでした。 20% マンニトールまたはロペラミドの前処理により、イブプロフェンの血中濃度が低下しました。これらの結果は、アルコール飲料が薬物動態に影響を与えることを示唆しています。特に、浸透圧の上昇と胃腸通過の阻害により吸収が影響を受ける可能性があります。