ISSN: 2155-9570
岩下正憲、村戸ドグル、矢野博子、山東泰子、野崎学、藤島寛子
目的:近年、花粉症やコンタクトレンズ装用者の増加により、健常者における洗眼への関心が高まっている。従来、市販の洗眼液には防腐剤(塩化ベンザルコニウム[BAK])が含まれており、角膜上皮障害との関連が指摘されていた。しかし、現在では、BAKを含まない洗眼液(市販薬)の普及により、角膜上皮障害が減少していると考えられる。
方法:現在使用されている洗眼液と過去に使用された洗眼液を比較し、ウサギとヒトの両眼でBAKの角膜への影響を検討した。
結果: BAKを含む洗眼液は、角膜上皮障害および角膜ムチン層の崩壊との関連が認められた。しかし、BAKを含まない洗眼液は、角膜上皮障害との関連がなく、ムチン層への影響も認められなかった。
結論:この研究は、防腐剤の悪影響と防腐剤を含まない洗眼液の安全性を強調しています。