ISSN: 2329-9096
橋本慎吾、種村留美
背景:視運動刺激や追跡訓練などの眼球運動に関連する介入は、半側空間無視の患者に有益です。本研究の目的は、アイマークレコーダーで記録された探索タスク中に、視覚的および言語的手がかりを使用した注視フィードバックが半側空間無視の患者の神経心理学的状態と自己認識に与える影響を調査することです。
方法と結果:この研究には、左半側空間無視を呈する右半球損傷の入院患者 20 名が含まれました。患者は比較クロスオーバー研究のためにランダムに 2 つのグループに分けられました。各介入期間は、固定フィードバックの有無にかかわらず、5 日間の作業療法で構成されました。介入の間には、介入期間の影響を排除する 2 日間のウォッシュアウト期間が割り当てられました。行動不注意テスト (p=0.04) とキャサリン ベルジェゴ スケール スコア (p=0.01) の治療効果に有意差が認められましたが、持ち越し効果と期間効果には有意差は認められませんでした。クロスオーバー比較研究の限界としては、この研究で使用されたサンプルのように、自然回復が起こりうる急性期の患者にはクロスオーバー比較研究は不適切であると考えられることなどが挙げられます。さらに、参加者数は 20 名に制限され、対照群は割り当てられませんでした。
結論:アイマークレコーダーを使用した注視フィードバックは、半側空間無視と自己認識を改善しました。注視フィードバックは、半側空間無視に対する効果的なトップダウンアプローチであり、通常の作業療法介入と比較してより顕著な結果を示しました。今後の研究では、損傷部位に応じた介入効果に焦点を当てる必要があります。