ISSN: 2167-7700
小林 英、監物 英、鈴木 和、大森 俊、中島 和久、和久田 和、小野 亜、内藤 哲、村上 英、遠藤 正、OhdeY、高橋 哲
背景: 75 歳以上で第一選択化学療法を受けた非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者に対する第二選択化学療法の効果は不明である。
方法: 2005年1月から2014年12月の間に静岡がんセンターで75歳以上で第一選択化学療法を受け、第二選択化学療法を受けた高齢NSCLC患者65人を後ろ向きに検討した。
結果:第2選択化学療法の全奏効率は9.2%[95%信頼区間(CI)4-19]であった。第2選択化学療法における無増悪生存期間の中央値は2.2か月であった。第2選択化学療法における全生存期間の中央値は7.5か月であった。予後因子の多変量解析では、Eastern Cooperative Oncology Groupのパフォーマンスステータススコア(PS 0~1/PS 2、HR、0.396、95%CI、0.192~0.899、p = 0.03)と組織学(扁平上皮/非扁平上皮、HR、0.465、95%CI、0.228~0.884、p = 0.02)が有意に独立した予後因子であることが示された。一方、治療関連死は肺臓炎により2人(3.1%)であった。また、第3選択化学療法を受けた患者の割合は35.9%に過ぎなかった。
結論:本研究では、高齢患者は次ラインの化学療法に移行することが困難であることが示唆されているが、一部の高齢患者は二次化学療法の副作用に十分耐えることができ、75歳以上で一次化学療法を受けた高齢NSCLC患者には二次化学療法が有効である可能性がある。したがって、高齢NSCLC患者に対する二次化学療法の有効性を実証するために前向き研究を計画する必要がある。