ISSN: 2381-8719
徐志仁と趙志新
地震データを解析することで、チベット高原の東縁とその周辺の地震構造運動と応力場が調査された。その結果、南北方向に広範囲にわたってずれている正断層型地震の量は、仙水河断層の南西に集中している(SWXSH-NSNF)。また、東西方向に広範囲にわたってずれている正断層型地震の量は、金沙江下流の東側に集中している(ELRJSJ-EWNF)。これらの地震は、龍門山断層に沿った逆断層型の地震がほとんどである。チベット高原の東縁では、P軸は西部では概ね北東南西方向に、東部では北西南東方向にそれぞれ揃っている。チベット高原東縁の東部地域の地震発生応力場は、台湾地域でのユーラシアプレートとフィリピン海プレートの衝突、および琉球海溝に沿ったフィリピン海プレートの沈み込みによって生じた南シナ海ブロックの応力場の影響を受けている可能性がある。チベット高原東縁の東部と西部地域の間の応力場のP軸配向の縦方向境界は、チベット高原の東縁内、およそ東経100度から東経101度に沿っている。上記の応力境界は、チベット高原と南シナ海ブロックの間の構造境界とは一致しない。