ISSN: 2161-0487
坂田正次、高岸幸宏、北村俊典
本研究では、日本の大学生 (n=507) のサンプルを使用して、ストレス状況への対処目録 (CISS) の最適な因子構造を決定することを試みた。サンプルの半分をランダムに分割して実施した探索的因子分析により、5 因子構造が得られた。この構造の堅牢性は、サンプルの残りの半分での確認的因子分析によって、3 因子モデルおよび 4 因子モデルと比較して確認された。課題解決、社会的転換、および気晴らしの因子は、より高次の因子である行動指向的対処に含まれていた。反芻および攻撃の因子は、より高次の因子である感情指向的対処に代表されていた。感情指向的対処は、同じサンプルの前向き研究で 5 週間後の抑うつ気分を有意に予測し、行動指向的対処は、抑うつ気分の有意な軽減を予測した。これらの結果は、ストレス状況への対処目録の 5 因子構造が日本の若者および青年に有効であり、行動指向的対処は適応的対処戦略であることを示唆している。