ISSN: 2168-9776
ヨナス・ヨハネス、オルガ・シビストワ、ゼレケ・アサイェ、ゲオルグ・グッゲンベルガー
近年、植林が地球の炭素収支に与える影響について議論が交わされている。土壌呼吸は陸上生態系と大気の間の炭素交換において決定的な要素であるため、土壌CO2排出の駆動パラメータとの関連で森林管理措置(間伐など)が及ぼす影響は、炭素に優しい土地管理を最適化する上で重要な問題である。本研究では、間伐、土壌温度、土壌水分、生物パラメータが土壌CO2排出率に及ぼす影響を報告する。土壌CO2排出は、赤外線ガス分析装置を用いて測定した。6年生のCupressus lusitanica植林地内で間伐した林分と間伐していない林分を選択した。土壌呼吸率は、1.47~6.92 µmol m-2s-1(間伐)および1.31~5.20 µmol m-2s-1(対照林分)の範囲で
あった。一般に、土壌呼吸率は乾季よりも雨季の方が高かった。土壌二酸化炭素排出量の季節変動は土壌水分と有意に(p<0.05)相関していたが、土壌温度との相関は低かった。土壌呼吸は土壌水分の増加とともに増加し、31%で最大値に達したが、この閾値を超えると減少し始めた。一般に、間伐後の1年目と2年目の土壌二酸化炭素排出量は、間伐林分でそれぞれ24%と14%高かった。間伐林分の土壌温度の上昇は土壌二酸化炭素排出量の増加にあまり寄与しておらず、より重要な理由は樹木の直接的な反応であるように思われる。細根生産量の増加と異なるグループを代表する微生物濃度の上昇は、根および関連する菌根菌による独立栄養呼吸、ならびに従属栄養呼吸による呼吸の増加を示唆している。土壌呼吸による二酸化炭素損失が高いにもかかわらず、
土壌中の有機炭素および総窒素濃度はむしろ増加する傾向があり、間伐林分では土壌への有機物投入量が多いことを示している。