ISSN: 2157-7013
有安奏津、北澤莉子、原口竜馬、上田康夫、川浪雪乃、西由紀子、亀岡友梨、水野陽介、北澤壮平
大腸の炎症性線維性ポリープ(IFP)2例で血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRA)遺伝子変異の存在を調べた。PDGFRAの免疫組織化学分析により、IFP陽性例(症例1)が1例、陰性例(症例2)が1例であることが明らかになった。次に、血管または粘膜腺と好酸球の周囲に渦巻き状またはタマネギの皮状に配列した無味乾燥な紡錘細胞を示す典型的な組織学的特徴に基づいて、パラフィン包埋標本から病変を選択的に顕微解剖した。症例1は、エクソン14にフレームシフトナンセンス変異を引き起こす追加のミスセンス変異を伴う欠失を有し、症例2はエクソン18にミスセンス変異を有していた。これらの所見から、大腸のIFPは非常にまれではあるものの、他の消化管IFPと同様のPDGFRAの遺伝子変化を共有することが確認された。