ISSN: 2165-7556
小原健一、藤田大介、大坂博、末広忠信、伊藤智隆、渡辺進
目的:本研究の目的は、リクライニング式車椅子の臀部に作用する水平方向の力が、背もたれの回転軸位置によって、脚支持部の挙上角度によってどのように変化するかを調べることである。
材料と方法:被験者は13名の健康な男性であった。水平方向の力は、実験用車椅子に装着したフォースプレートを使用して測定した。背もたれの後軸および転子軸位置での脚下げ条件と、後軸および転子軸位置での脚上げ条件の4つの実験条件がテストされた。背もたれは、最初の直立位置(IUP)から完全にリクライニングした位置(FRP)まで、徐々に角度を増やしながらリクライニングした。FRPとIUPの間で臀部に作用する力の変化率(FRP/IUP*100:%)を計算した。
結果:転子軸位置では、脚を下げた状態と脚を上げたときの変動率はそれぞれ155.6 ± 29.1%、119.3 ± 10.7%であった。後軸位置では、脚を下げた状態と脚を上げたときの変動率はそれぞれ100.7 ± 16.7%、96.3 ± 10.2%であった。転子軸位置では脚を下げた状態と上げた状態の間で変動率に有意差があったが、後軸位置では有意差はなかった。
結論:リクライニング式車椅子の臀部に作用する水平力に対する脚支持の上昇の影響の程度は、背もたれの回転軸が転子の近くに配置されている場合に減少する。