ジャーナル オブ ファーマシューティカル ケア & ヘルス システム
オープンアクセス

概要

日本における臨床試験の情報チャネルと医療従事者のニーズ

野口聡美、荻野大輔、佐藤一

背景：医療従事者の情報ニーズや情報探索行動については多くの研究が報告されているが、臨床試験情報の利用に関する報告はほとんどない。目的：本研究の目的は、医療従事者の情報探索行動を把握し、インターネットの利用に焦点を当てて臨床試験情報の望ましい提供を検討することである。方法：2013年3月から4月にかけて、日本の3つの国立研究医療研究センター病院と日本医師会臨床試験センター加盟病院で医療従事者に質問票を配布した。結果：医師は学会や医学雑誌から提供される情報を主に利用し、看護師は同僚や薬剤師からの情報を主に利用し、CRCはインターネットからの情報を主に利用した。各情報源では一般医療情報の利用割合が臨床試験情報よりも高かったが、医療従事者の間では一般医療情報と臨床試験情報の間で情報利用の傾向は同様であった。結論：臨床試験に関する情報の伝達方法は、医療従事者間で異なることがその有効性に影響を及ぼす可能性があることが示唆された。