ISSN: 2155-983X
桑原啓司、市原英明、松本洋子
本研究では、α-D-グリコピラノシル-α-Dグルコピラノシドモノミリステート(TreC14)とL-α-ジミリストイルホスファチジルコリンを用いて構成されたトレハロースリポソーム(DMTreC14)の、ヒト乳がん細胞株MCF-7の増殖に対する効果を調べた。DMTreC14はMCF-7細胞の増殖を阻害し、アポトーシスを引き起こすことが観察された。これは、DMTreC14がMCF-7細胞におけるミトコンドリア膜電位を低下させ、続いてシトクロムcを放出し、カスパーゼ6とカスパーゼ9を活性化するためであった。さらに、MCF-7細胞の細胞膜におけるDMTreC14の蓄積が増加し、続いて細胞膜の流動性が増加することが観察された。さらに、DMTreC14 処理により c-Jun N 末端キナーゼ/ストレス活性化タンパク質キナーゼ (JNK/SAPK) の活性化も観察されました。