ISSN: 2155-6148
倉田真二、三島岳、鮎瀬たかお
気管支ファイバースコープによる挿管は、気道確保困難症に対する適切な治療法であることが認識されている。この治療法は、通常、患者の協力のもと、覚醒時に仰臥位で、または自発呼吸のある鎮静状態で行われる。しかし、病的肥満や咽頭軟部組織の腫瘍や浮腫など、解剖学上の問題で、患者を体位変換できない症例もある。呼吸器合併症を模倣する代替法として、側臥位での気管支ファイバースコープによる挿管が考えられる。われわれは、側臥位での気管支ファイバースコープによる挿管症例を経験した。鎮静下の重症肥満患者に対して、柔軟な気管支ファイバースコープを側臥位にし、左側臥位でファイバースコープによる挿管を試みたところ、気管チューブを経鼻挿管することができた。