ISSN: 2161-0932
芹川武大、高桑光一、榎本隆行
妊娠9週目の39歳妊婦が、直径5cmの卵巣腫瘤のため病院に紹介された。腫瘤は妊娠中に増大せず、正期産で女児を出産した。出産後9か月で腫瘤の固形部分が大きくなり、MRIで明細胞境界腫瘍が疑われた。開腹手術が行われ、病理診断は明細胞癌(CCC)で、FIGO病期はステージIaであった。術後6か月の時点で、患者は無病である。妊娠中に診断される卵巣癌の発生率は非常に低く、CCCはまれであるため、妊娠関連CCCの報告は非常に少ない。我々は、「卵巣明細胞癌」と「妊娠」をキーワードとして既存の文献をレビューした。自験例のほかに、8例を収集することができた。平均年齢は34歳である。9例中8例は診断時に無症状であった。嚢胞の大きさは、私たちの場合を除いて 6 cm より大きかった。9 人の患者全員が手術を受け、腫瘍はすべて切除可能であった。FIGO ステージはステージ I または II であった。幸いなことに、すべての患者と生児は生存しており、健康であった。