ISSN: 2155-9570
イー・ハオ、キンボ・チョウ、ジン・マー、ユン・チャオ、シュシェン・ワン
目的:マイクロRNA-146a (miR-146a) は、細胞老化および炎症誘発性シグナル伝達経路の負の調節因子として作用し、加齢に伴う炎症、すなわち「インフラメージング」のマーカーとして提案されている。しかし、眼の老化における miR-146 の調節および機能は不明のままである。本研究では、miR-146 は網膜および脈絡膜の老化中に調節され、網膜色素上皮 (RPE) 細胞で炎症および血管新生に関与する主要遺伝子を調節する機能を持つと提案する。
方法: miR-146a および miR-146b の発現を、2 か月齢から 24 か月齢のマウスの神経網膜および RPE/脈絡膜で調べた。次に、合成 miR-146a 模倣物の IL-6 および VEGF-A 発現に対する効果を、TNF-α の有無で処理した RPE 細胞で分析した。
結果: miR-146a と miR-146b は RPE/脈絡膜の老化中に上昇したが、神経網膜では上昇しなかったことから、網膜組織における老化関連 miRNA の組織特異的な調節が裏付けられる。miRNA 模倣体による miR-146a の過剰発現は、VEGF-A および TNF-α 誘導性 IL-6 発現を阻害した。
結論: miR-146a と miR-146b が老化 RPE/脈絡膜で上昇したが神経網膜では上昇しなかったことから、RPE/脈絡膜の炎症老化における miRNA の役割が示唆される。miR-146a の過剰発現は RPE 細胞における IL-6 および VEGF-A の発現を阻害し、眼の老化中に炎症経路を調節する負のフィードバック調節メカニズムを裏付ける。