ISSN: 2684-1630
中村明宏、宮村友也、ブライアン・ウー、末松栄一
意識混濁と両上肢および両下肢の脱力を伴う 51 歳の女性が当院に入院した。入院時の臨床検査では、好酸球増多、タンパク尿、低アルブミン血症、クレアチンキナーゼ MB の上昇が認められた。また、抗核抗体、抗リボ核タンパク質抗体、抗スミス抗体が陽性で、補体値の低下も認められた。脳 MRI では両半球に多発性脳梗塞が認められた。腎生検ではクラス IV ループス腎炎と判定された。全身性エリテマトーデスによって引き起こされる血管障害と凝固亢進症は、まれに好酸球増多症候群を伴い、この患者の多発性脳梗塞の主な原因と考えられた。症状と臨床検査値は、静脈内メチルプレドニゾロンパルス療法、続いて経口プレドニゾロンと毎月の静脈内シクロホスファミド療法により徐々に回復しました。