周術期医学ジャーナル
オープンアクセス

概要

アメロゲニンと既存のGrp78誘導剤の再適用の組み合わせに基づく歯周組織再生のための新しい治療戦略

福田隆夫、讃井輝和、豊田京介、田中うらら、山道謙介、武富隆晴、西村房則

本研究では、アメロジェニンと新たに会合した分子であるグルコース制御タンパク質78（Grp78）を標的として、歯周組織の再生を効果的に誘導する安全性の高い再生療法の開発を目指しています。エナメル質マトリックス誘導体（エムドゲイン®ゲル、ストラウマン）は現在、厚生労働省に認可されている唯一の生体再生ツールです。しかし、外来タンパク質であることによる安全性の問題に加え、シグナル伝達レベルでの作用機序に関する統一見解は未だ明らかではありません。当研究室は以前、骨芽細胞における新しいアメロジェニン会合分子Grp78の同定を初めて報告しました。この会合は後に、歯周組織の再生に重要な役割を果たす歯周靭帯幹細胞（PDLSC）の移動を促進することが示されました。これらの結果に基づいて、我々は、既存の薬剤の再適用（ドラッグリポジショニング）によって適用可能な組換えアメロゲニンとGrp78誘導剤の併用による歯周組織再生の分子基盤を確立することを目指しています。