骨研究ジャーナル
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概要

骨のドリリングと骨痛の感作による痛みの緩和：仮説

相田純久と高橋源太郎

骨ドリリング（BD）は、脊椎圧迫骨折（VCF）、脊椎症、変形性関節症（OA）、膝と股関節の骨壊死、神経障害性疼痛などの疼痛に対する新たな治療法として再考されている。BDは単純で無害である。BDの技術は骨髄穿刺の技術に似ている。BDは、X線透視と局所麻酔下で実施される。髄内減圧には骨皮質への正確な貫通が必要であり、髄内炎症細胞（IC）と炎症性化学伝達物質（ICM）を除去するには髄血の十分な吸引が重要である。効果は即時に現れ、効果は数ヶ月から数年間持続する。しかし、BDの根本的なメカニズムの詳細は不明のままである。一方、複合性局所疼痛症候群（CRPS）の代表である神経障害性疼痛にもBDの有効性が示された。神経障害性疼痛は神経根損傷後に誘発され、骨は一般に無傷である。しかし、BDはその後生じる足の痛みを軽減する。この事実は、その後に髄質炎症が起こり、骨組織がCRPSに関与していることを示している可能性がある。したがって、CRPSによって骨内に何らかの変化が誘発される。この事実は、骨髄内に痛みの自己促進機構が独立して備わっているという仮説を示唆している。この機構を「骨痛感化」と名付けた。また、髄質ICは骨吸収を引き起こし、CRPSによる最終的な骨ジストロフィーは「ズーデックジストロフィー」である可能性がある。