ISSN: 2167-0870
畑山知義*、安井誠一
近年、臨床試験におけるデータ品質を確保するための効率的な方法として、リスクベースモニタリング(RBM)アプローチが注目されています。RBMにおいて、中央統計モニタリング(CSM)は、臨床試験における業務プロセスの状態を監視し、その異常を検出するという重要な役割を果たします。これまでにCSMの統計手法は数多く提案されていますが、それらの研究のほとんどは、やや強い仮定に基づいて提案されており、さらに、そのパフォーマンス評価は臨床試験の実際の設定では実用的ではありません。著者らは、それらを実際の臨床試験に適合させるにはまだ不完全であると考えています。本稿では、CSMに関する現在の問題点と、CSMの今後の研究活動で考慮すべき事項を明確にすることに焦点を当てています。