ISSN: 2471-9455
葵隼人
本論文では、宮古方言多良間方言の舌状母音の音声学的詳細を報告する。多良間-宮古方言の舌状母音は、舌の奥だけでなく舌板でも発音される、すなわち舌状背側母音である。このような母音は以前にも報告されているが、以前の事例は異音であったのに対し、多良間-宮古方言の母音は音素的である。本論文では、この母音の音響的(スペクトル的)および調音的(口蓋および言語的)詳細の両方を提示する。