ISSN: 2167-7700
菅又正雄
ロイコトリエン受容体拮抗薬は喘息治療薬の適応症で、抗アレルギー薬の一つである。我々は、様々な悪性腫瘍、良性腫瘍に共通して肥満細胞とロイコトリエン受容体が出現することを見出し、アレルギー反応が腫瘍の発生、増殖に深く関わっていることを証明した。また、ラット自然発生腫瘍に対するロイコトリエン受容体拮抗薬の治療効果について実験し、その有効性を確認した。我々のデータは、この薬の幅広い効果とより少ない副作用を示しており、現在の悪性腫瘍の化学療法に対する議論を呼ぶであろう。本論評では、ロイコトリエン受容体拮抗薬の腫瘍治療における現在のエビデンスと将来の展望について簡単にまとめる。