ISSN: 2155-9880
Altura BM*、Gebrewold A、Shah NC、Shah GJ、Altura BT
北米とヨーロッパでの疫学研究では、西洋型の食事を摂っている人はマグネシウム(Mg)含有量が低い(マグネシウムのRDAの30~65%未満)ことが示されています。米国のそのような食事のほとんどでは、アメリカ人の60~80%が1日あたり185~235 mgのマグネシウムしか摂取していないことが示されています。軟水地域およびマグネシウムの少ない土壌でのマグネシウム含有量の低さは、虚血性心疾患(IHD)、冠動脈疾患、高血圧、および突然心臓死(SCD)の発生率の高さと関連しています。世界中で死亡の主たる根本原因がアテローム性動脈硬化症であることは明らかです。重要なことに、動物およびヒトの両方の研究で、食事によるマグネシウム摂取とアテローム性動脈硬化症の間には逆相関関係があることが示されています。軟水地域では、硬水地域でよりもIHDおよびSCDで死亡した被験者の心筋マグネシウム濃度が一貫して低いことが観察されています。過去20年間にわたり、私たちの研究室では、数種類の初代培養血管平滑筋(VSM)細胞および心筋細胞を用いて、細胞外Mg([Mg 2+ ] 0)レベルの低下がいくつかの酵素経路を活性化し、細胞内スフィンゴ脂質、特にセラミドの増加をもたらすことを実証してきました。セラミドは、炎症効果を含む多くの種類の心血管症状を引き起こすことが知られており、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患において重要な役割を果たしています。約20年前、私たちは、[Mg 2+ ] 0 の低下により血小板活性化因子(PAF)およびその他の種類のPAF様分子の形成が引き起こされることを報告し、これらの分子が低Mg 2+誘発性IHDおよびSCDの原因物質である可能性を示唆しました。ここでは、低[Mg 2+ ] 0誘発性IHDおよびSCDにおけるセラミド、PAFおよびPAF様脂質の役割を強く裏付ける当研究室の結果とデータをレビューします。