ISSN: 2329-9096
平野佳丈、新田修、林武、高橋英利、宮崎康裕、木川洋
【目的】回復期リハビリテーションを実施する際には、治療前に予後を考慮し、患者や家族への指導を行う必要がある。しかし、重度片麻痺患者の予後や最終転帰は、さまざまな要因が複雑に影響を及ぼすため、予測することが難しい。本研究の目的は、リハビリ入院時の評価に基づき、重度片麻痺脳卒中患者の転帰に関する予後因子を明らかにすることである。【方法】対象は、重度片麻痺で初発脳卒中患者80名とした。患者を、入院時の特性と身体機能により群分けし、特性、入院時の身体機能、転帰を比較した。 【結果】これらの因子に基づき、クラスター分析により患者を「認知機能良好、非麻痺側下肢筋力良好(A群)」、「認知機能不良、運動機能不良(B群)」、「認知機能良好、運動機能良好(C群)」の3群に分類した。リハビリテーション終了時には、B群の患者はA群、C群の患者よりも歩行能力、ADL能力が有意に悪く、B群で自宅復帰できた患者は少数であった。【結論】重度片麻痺脳卒中患者の分類は、リハビリテーション病院における予後予測に有用であると結論された。