ISSN: 2167-0269
E. ワンダ・ジョージとマリカ・ダス
本稿では、2012年に実施され、60か国以上(n=2490)から回答を得た大規模な多言語(英語、フランス語、ドイツ語、オランダ語)国際調査の部分的な結果を紹介します。本稿では、第一次世界大戦(WWI)に関与し、その影響を受けた9か国(オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、オランダ、スイス、英国、米国)の回答者から得たデータの分析を提供します。回答者の第一次世界大戦の記憶に影響を与える8つの要因(学校の授業、テレビのニュースとドキュメンタリー、インターネット、文学/芸術、第一次世界大戦の遺跡の訪問、物語の語り、記念品の継承、第一次世界大戦の映画)と、5つの人口統計変数(出身国、年齢、性別、教育、第一次世界大戦への感情的近さ)がこれらの要因に与える影響を分析します。また、第一次世界大戦の記憶の形成方法が、近い将来に第一次世界大戦の遺産を訪問する意思とどのように関係しているか、また、それが第一次世界大戦の戦場跡地にユネスコの世界遺産 (WHS) の地位を与えることへの支持にどのような影響を与えているかについても調査しました。結果は、第一次世界大戦の記憶の形成方法が 5 つの人口統計的要因すべてによって異なること、また近い将来に第一次世界大戦の遺産を訪問する意思と第一次世界大戦の戦場跡地に世界遺産の地位を与えることへの支持の両方が、第一次世界大戦の記憶の形成方法に関係していることを示しています。観光地としての第一次世界大戦の遺産の開発とマーケティングへの影響についても議論されています。