ISSN: 2165-7556
西田勇、前田正人、川野恒夫、白瀬圭一
作業者の身体的特性を考慮しない効率優先の作業環境は、作業者の作業負荷を増加させ、作業者の効率を意図せず低下させる。そのため、工場長は身体的特性を考慮した安全で効率的な作業環境を設計する必要がある。本研究の目的は、持ち上げ作業において各作業者の身体的特性を考慮した最適な作業条件を決定する方法を提案することである。この目的を達成するために、本研究では、持ち上げ作業における動作中の筋力を考慮した作業条件のシミュレーション方法を提案し、拮抗筋と二関節筋の役割を考慮した筋骨格モデルを使用して動作中の各筋肉の筋力を評価した。これにより、各作業者の最適な作業可能重量を推定した。その結果、本研究は、筋力を含む身体的特性を考慮した最適な作業条件のシミュレーションに使用できる。本研究は、工場長が作業者の身体的特性に応じて作業条件を設計し、人員配置を決定するのに役立つ可能性がある。