ISSN: 2155-9880
中村英彦、田口功、中原四郎、稲見秀、佐久間正志、杉村博之、松本和夫、伊藤友則、森野喜弘、水谷知宏、赤穂純也、中野正隆、吉岡浩一郎、御手洗隆信、明石義博、野村貴大、吉野英明および心臓血管研究コンソーシアム - 8 大学 (CIRC-8U)
特発性冠動脈解離(SCAD)は、急性冠症候群(ACS)のまれな病因ですが、早期診断に基づく適切な治療により転帰が改善する可能性があります。2001年1月から2014年12月までに8つの異なるセンター(Cardiovascular Research Consortium-8 Universities)のいずれかに入院し、緊急冠動脈造影を受けたすべてのACS患者の医療記録をスクリーニングしました。これらのACS患者から、冠動脈造影の結果のレビューに基づいてSCAD患者を選択しました。患者の人口統計、治療、入院中および長期の転帰は、医療記録と血管造影所見のレビューから決定されました。9377人のACS患者のうち、20人(0.21%)がSCADと診断されました。これら20人のSCAD患者の平均年齢は48.6 ± 12.0歳で、19人の患者が女性(95.0%)でした。 3 例 (15%) では、SCAD が妊娠に関連していた。2 例 (10%) では冠攣縮が SCAD に関連していた。2 例 (10%) は保存的に治療され、18 例 (90%) で経皮的冠動脈形成術が行われた。2 例 (10.0%) は標的病変血行再建術を受け、1 例 (5%) は冠動脈バイパス移植 (CABG) を受けた。1 例 (5%) で SCAD が再発し、1 例 (5%) は CABG 後に院内死亡した。本研究の患者の人口統計および転帰は、冠攣縮の誘因を除き、最近の SCAD の報告と一致していた。中年女性の ACS 患者では SCAD を疑うべきであり、進行中の虚血または左主幹部解離がない場合は保存的治療が推奨される。さらに、綿密な経過観察が重要である。