ISSN: 2167-0870
Filion M, Provencher L, Doyle C, Brisson J, Blanchette C, Duchesne T and Lemieux J
目的: 浸潤性非転移性乳がん患者における全生存率および乳がん特異的生存率と臨床試験 (CT) への参加との間に関連性があるかどうかを判定する。
材料と方法: 1982 年から 2008 年の間に浸潤性非転移性乳がんと診断されたすべての女性 (6,794 人) をデータベースから使用した。浸潤性非転移性乳がんと診断され CT に参加した女性と参加しなかった女性の生存率データを比較した。
結果: 合計 1,137 人 (16.7%) の患者が CT に参加した。これらの患者は参加しなかった患者と比較して若く、予後不良因子が多かった。 CT に参加した人の全生存率の粗ハザード比は 0.84 (95% CI [0.73-0.97]; p=0.02) であり、BMI、ホルモン受容体、治療法、組織学的グレードで調整すると 0.90 (95% CI [0.78-1.04]; p=0.16) となった。
結論: CT に参加した乳がん患者は、ベースライン特性が異なっている。その違いを前提とすると、試験への参加自体が乳がん患者の生存率を改善したわけではない。しかし、CT が参加者に悪影響を及ぼさないと結論付けることができる。