ISSN: 2471-9315
王平安
担子菌の一種であるGanoderma lucidum は、生理活性を持つ様々な有用な代謝産物を生産することができます。長い間、ゲノムと遺伝子操作法の不足により遺伝子機能の解析が制限され、 G. lucidumにおけるそれらの産物の生合成経路の解明が遅れていました。G . lucidum の配列が決定され、CRISPR (clustered regularly interspaced short palindromic repeat)/CRISPR-related protein-9 nuclease (Cas9) システムが確立されたため、遺伝子改変と遺伝子機能解析が可能になりました。このレビューでは、G. lucidumにおける CRISPR/Cas9 システムの確立とバイオテクノロジーへの応用についてまとめました。さらに、現在の CRISPR/Cas9 システムの課題について議論し、 G. lucidumにおけるバイオテクノロジー研究の展望を示します。