ISSN: 2167-7948
山下裕人、野口史郎、高橋洋、渡辺晋、内野晋哉、村上司、野口仁、西島由衣、中村倫彦、檜垣尚之、中本正人、野口泰史、中島明子
背景: びまん性硬化型甲状腺乳頭癌(DSV)は、甲状腺乳頭癌(PTC)のまれなサブタイプであり、この変異を持つ患者の予後はまだ完全には解明されていません。本研究の目的は、DSVが非DSVよりも予後不良因子であるかどうかを判断することです。
方法: 12,664例の原発性PTC症例の組織学的スライドを検討し、DSV群と非DSV群に分けました。追跡調査の結果と患者の年齢分布に基づいて、810人の女性患者のデータを選択し、DSV患者と非DSV患者の転帰を比較しました。
結果:初期患者全体のうち、43人がDSVでした。これらのうち、4人が死亡し、39人が生存し、手術後の平均生存年数は11.1 ± 9.7年(平均±SD)でした。死亡した患者はすべて、乳頭状非微小癌(PNMC、直径>10 mm)の女性患者でした。年齢別にした女性PNMC患者のサブスタディでは、DSVグループと非DSVグループの分析には33歳でのカットオフが最適であることが示されました。33歳未満のPNMCの女性患者810人のうち、25人がDSV、785人が非DSVでした。非DSV患者のうち23人が死亡し、そのうち5人がPTCによる死亡でした。選択された患者の全死亡率と疾患別死亡率は、DSVグループと非DSVグループ間で統計的に有意ではありませんでした(それぞれ2/25 vs. 23/785、p = 0.18、および1/24 vs. 5/767、p = 0.17)。
結論: DSVはPTCの攻撃的なサブタイプではなく、DSV患者は、同じステージの非DSV患者よりも積極的な治療を必要としません。