ISSN: 2167-7948
ファリ・イエティシル
目的:本研究の目的は、ハーモニックスカルペル(HS)が甲状腺乳頭癌(PTC)患者の頸部郭清術における合併症率を高めるかどうかを調査することであった。
方法:両側甲状腺全摘出術および中央または側方頸部郭清術を受けた PTC 患者 95 名を研究対象とした。手術の各段階で HS を使用して止血を行った患者をグループ I (n=52) とし、神経郭清および副甲状腺と胸管を含む領域の郭清で HS を使用せずに止血を行った患者をグループ II (n=43) とした。手術時間、術後神経損傷、副甲状腺機能低下症、乳瘻の発生についてグループを比較した。
結果:人口統計学的データ、腫瘍の進行度、手術の種類は両グループで同様であった。平均手術時間はグループ I の方が 19 分短かった (p=0.003)。神経損傷および副甲状腺機能低下症についてはグループ間で差はなかった。乳び瘻はグループ I の 3 人 (5.7%) に認められたが、グループ II では認められなかった。
結論:頸部郭清を受ける PTC 患者に HS を使用すると、神経や副甲状腺の損傷率を増加させることなく手術時間が大幅に短縮されますが、乳び瘻の発生リスクが増加する可能性があります。