ISSN: 2155-9880
ヴィオレッタ・ディルラ、アグニエシュカ・クドノッホ・イェジェイジェフスカ、プシェミスワフ・ディルラ、ピョートル・プルシュチク、パヴェル・ピアトキェヴィチ、マレク・クッチ
背景:心不全(HF)は、2型糖尿病(DM)や慢性腎臓病(CKD)と同時に起こることが多い。これらの疾患の経過中、腫瘍壊死因子α(TNFα)やインターロイキン6(IL-6)などの炎症マーカーが上昇する。炎症性サイトカインは予後不良のマーカーである。本研究の目的は、HF、DM、CKDの経過中における炎症の重症度を評価することであった。また、TNFαとIL-6の血清濃度の予後価値も評価した。
方法: HF患者129名が登録された。患者の50%がDM、50%がステージ3のCKD、30%の患者が両方の疾患を有していた。TNF-αとIL-6の血清濃度はELISA法で評価した。エンドポイントは、12か月の追跡期間中のHF悪化による死亡と入院である。
結果: IL-6 の血清濃度は HF のみの患者で最も低く、HF と DM を併発している患者で最も高かった。TNF-α の血清濃度は HF、DM、CKD を併発している患者で最も高く、HF のみの患者で最も低かった。IL-6 は多変量解析における複合エンドポイントの予測因子であった。TNF-α は予測因子ではないことがわかった。
結論:炎症誘発性サイトカインの濃度によって表される炎症状態は、心不全のみの患者で最も低く、併存疾患が現れるときに増加するようである。IL6 のみが予後値を有する。IL-6 濃度の上昇は複合エンドポイントのリスクを増加させる。