ISSN: 2329-8731
島マリ*、押田リカ、奥部隆志 Y
背景:フラッシャー消毒器 (FD) は、再利用可能な小便器や便器を空にし、洗浄し、消毒するのに役立つように設計されています。FD は、クロストリディオイデス・ディフィシルや腸球菌などの耐熱性細菌にさらされた便器に使用される可能性があるため、人間の排泄物容器を確実に洗浄することは、院内感染を防ぐ重要な要素です。
目的:医療現場に設置されたFDの洗浄評価方法をISO試験土壌による目視評価とアデノシン三リン酸(ATP)測定により検討する。
【方法】 ISO15883-5に示す試験汚れを2通りの方法で便器に塗布し、目視により4段階評価した。各評価スケールに対応する便器表面のATP値を測定し、目視評価スケールとの相関を確認した。また、異なるFDと便器を用いて目視評価を行った。
結果:目視評価では、試験汚れを便器全面に塗布した場合、水流が当たりにくい部分に残留した。試験汚れを便器の蓋以外の表面に塗布した場合は残留がなかった。4段階目視評価スケールとATP値の対数は正の相関を示した(相関係数=0.86)。異なるFDと便器の組み合わせによる目視評価では、試験汚れの残留部分が異なる傾向にあった。
【結論】 FDの洗浄不良は、水量が不十分であったり、便器が著しく汚染されていたりした場合に発生する可能性が示唆された。FDの機能を評価し、適切なプログラムを選択し、適切な管理のためのスタッフ教育に活用するために、医療現場でFD洗浄評価を実施することが重要であると考えられた。FDや便器は多種多様であるため、各施設でFD洗浄評価を実施することが推奨される。